これまでで当院に来院された患者さんのなかには「インターネットで見た鍼治療をやってほしい」、「本で知った(他院発表)の鍼灸治療法で治療をしてほしい」とご希望される方がときどきおられました。
当ページでは、これらのご要望があった場合の当院の対応について、詳しい説明を行っています。
確かに、私も以前に見たインターネットには、「あなたがどこか他の鍼灸院で受けていた治療法、あなたがやって欲しいと思う鍼治療をあなたの願いどおりに再現してあげます!」と、派手にアピールしていた中国地方の鍼灸院ホームページが存在していました。
しかし、当院では、「ネット上に出ている治療法」に限らず、患者さんが書籍やメデェアで知った鍼灸治療法を言われたままのその通りに行うことはありません。例えそれが「有名鍼灸院からの情報」であっても、患者さんから希望、要望があったというだけで他院がアピールする鍼灸治療を取り入れることは、「まず滅多にない」ということです。
なぜなら、これは手前味噌でありますが、「当院の鍼灸治療は、他院と比較して劣る」とは評価しておらず、当院の治療方針と鍼灸治療にはそれなりの自負があるからです。
もちろん、「自分ならどんな病気も治せる」とか、「五十肩は全患者症例を改善できる」という類のアピールではありません。しかし、当院では、当院の来院患者さんには当院の治療方針による鍼灸治療を提供するということが最良の選択肢であり、『患者さんにとって最もよい治療結果をもたらす可能性が高い』と考えております。そしてこれは、当院開業して以来まったくブレることがない「想い」でもあります。
実際、当院では、新規患者さんが来院した際は、必ず『わきさか鍼灸院の治療方針の説明』を行い、「当院の鍼灸治療が他院の治療内容と同じとか同等レベルだ」と患者さんから混同されないよう、丁寧な対応、コミュニケーションを心がけてきました。
そのような対応によって、これまで多くの患者さんからはある程度のご理解をいただくことができていました。
しかしながら、中には「こちらの説明が腑に落ちない」のか、「なかなか本心から納得されないような方」が時々おられました。その場合では、「次の患者さんの予約時間のこと」や「本来一人当たりの治療時間には制限もあること」から、最後まで説明しきれないままに話しが終わってしまうことがありました。
このような状況では、当院の治療内容と他院との違いについての説明を滞りなく逐一ご説明することは事実上不可能ですし、そもそも遠まわしにご意見を言ってこられる方の場合ではこちらに説明の機会が与えられておらず、説明や反論を行うこと自体が困難でした。
そこで2014年9月から、当院の治療方針の重要ポイントを記した、『A4ファイル(治療方針説明5ページと軸索反射5ページのセット)』を作成し、新規来院の方、全員これをお読みいただくよう、新たな対応を行っていました。また、場合によっては、追加で口頭説明を行うようにもしていました。そしてこのファイルは、どの患者さんでもいつでも読み直せるよう、待合の本棚に常に設置していました。
「当院の治療方針 説明ファイル (A4)」
(注:このA4ファイルに書かれている治療方針は、当院の開業当時2009年に設定した治療方針とまったく同じです。)
今回、当ページでこのファイルの中身すべてを公開することはしませんが、このファイルでは「当院の鍼治療では、患者さんの体質や症状によって『治療1回当たりに刺鍼する鍼の本数』を幅広く使い分けます」との説明を行っています。
ファイルで「患者さんの体質や症状によって『治療1回当たりに刺鍼する鍼の本数』を幅広く使い分けます」との説明を行っていますので、実際の当院の鍼治療では、治療ごとの鍼の刺鍼本数にはかなりの幅があります。
当院で刺鍼本数を多くする場合は、40本くらいになることがあります。これくらい多く設定して治療を行うケースは珍しいことではなく、それなりの頻度であります。
逆に刺鍼本数をかなり少なく設定する場合もあります。これもそれなりの頻度であります。
つまり、少ない場合と多い場合とでは、かなり大きな開きがあるということです。
しかし、ネットや書籍でみられるような「100本以上は打つ!」とかは、ほぼあり得ないレベルと考えますので、当院では、今まで一度もそのような極端な多刺の鍼治療を行ったことはありません。
当院の経験上(10年以上の)、「刺鍼本数が多ければ多いほど効果が出せる」という法則性はまったく確認していませんので、刺鍼本数が50本とか100本とか鍼数がやたらに多い鍼治療法が「平均的に大多数の患者に適応して効果が出せる」との結論にはなっていません。
また、鍼の本数に限らず、鍼の刺鍼深度についても同様に、刺鍼深度が深ければ深い方が効果が高まるとの法則も絶対的なものとは理解していません。
例えば、腰痛で大腰筋の凝りが出ていれば大腰筋に鍼が届くよう鍼を深く打って凝りを取らなければなりませんが、このロジックは解剖学的に限っての正論であり、実際の鍼治療では解剖学以外の原理原則にも考慮する必要があり、治療はそれほど単純ではありません。
そして、このような説明は、「院内の掲示物」で常に表示しており、2014年からは先述の「当院の治療方針説明ファイル」を用いて口頭説明も行い、当院の治療方針をできるだけ多くの方に理解が得られるよう、説明に努めていました。
患者さんごとの体質、病状に応じた刺激量の調整の必要性、軸索反射の原理などを説明(「当院の治療方針説明ファイル」より)
これも先ほど説明をしていましたが、このファイルの作成と設置は、「患者さんが、当院の鍼灸治療のレベルが他院と同等レベルとかそれ以下だと混同されないように、、、」というところに理解を促すことが目的であり、「丁寧なコミュニケーション」の一環であります。
ここでまた、「しかしながら」、という接続詞が続いてしまいますが、残念ながら、極々一部の患者さんではありますが、当院の「治療方針 説明ファイル 」を読まれたにも関わらず、当院の治療内容や治療回数について、あれこれと「意見」や「質問」をしてきたり、世間話に紛らせて「批判」を展開してくる方がいました。
特にある男性患者Aさん(No.787)は、当院での治療が進んできて「患者さん自身でも鍼治療の効果を実感できる段階」になってから同様の態度変化がみられました。
この患者Aさん(No.787)は、耳鳴りと腰痛の治療のため、2014年9月から2016年頃までけっこう長期に通院されていた方です。このAさんの場合、先に耳鳴に対しての鍼治療を行っていましたが、耳鳴がかなり改善してきたため、次に腰痛治療に移行しました。この時点でAさんの治療回数は優に●●回以上になってましたが、腰痛治療に入った段階から私に対して、「当院の治療内容」についてときどき質問が出るようになっていました。
それに対してこちらは、「今までは質問なんかしなかったのに変だな、?」とは思いましたが、Aさんの質問ひとつひとつにできるだけ丁寧に回答するようにしていました。
「その件は、ネット上の鍼灸院の情報はけっこうフェイクが多いですよ~」「アレは誇大でしょう」などと、院名を名指しせずに説明を行ったり、「今日のAさんの治療でここに鍼を打ったのは●●が理由ですよー(他院とは違いますよ)」などと、「当院の治療内容、方針が他院とは同じでないこと」、「できればあまり人に言いたくないような当院の治療技術の情報まで」をけっこうバカ正直的に行い、当院としては『かなり丁寧な対応』をしていたのですが、、なな、なんと、この患者Aさん、それ以降のある日に、「今の若い人は上下関係がなってないな~」と、、自らの現在進行形の体験談を交えつつ、人生哲学を繰り返しに述べてこられてきたのでした。
そう言えば「これに近いパターンの批判めいた意見」はこれまでも時々出ていましたので、そこで仕方なく、少し前から思案していた対応策のひとつをこのAさんの次回の治療日に急いで出すことしたのです。
「Aさん、最近『北京堂式の鍼治療』を受け付けることになりしました、、。もしかしたら、当院でご希望の鍼治療とは「北京堂式」のことですか?」、「もしそうなら、この書面を読んで内容を確認できましたらここにサインをしてください」、「そしたら『北京堂式治療法』をなるべく忠実に再現した鍼治療をご提供します。よろしいですか?」とAさんに問いかけると、、、やはり案の定?と言うべきか、Aさんは、「満面の笑みを浮かべながら同意のサインをされたのでした」。。。
そしてこの日、Aさんに初めて『北京堂式治療法』で鍼治療を行うことになりましたが、Aさんの患部全体に鍼を30本ほど全部打ち終え、置鍼に至った段階になって約●●分後でしょうか、Aさんは「もう鍼抜いて~!」と要望され、『北京堂式』鍼治療はそこで中止となったのでした。
(※置鍼とは:鍼を打ち終え刺鍼した状態でしばらく時間を置く刺鍼術=北京堂では置鍼を40分まで長くすることの治療効果の優位性を強くアピールしている)
実はこのAさんには、2014年の初診時に、先ほどご紹介した『当院の治療方針の詳細説明のA4ファイル』をお読みいただいており、その内容とこちらからの口頭説明にも「よく理解を示されている感じ」が得られていて、その後の「難治の耳鳴りと腰痛」もかなり改善していたなか、私としては「当院の鍼治療はかなり信頼されている」と思っていたところに、まさかAさんがこのような態度をとられるとはまったく心外であり、かなり愕然とさせらた事態でありました。
この日行った「北京堂式の導入」はこれが初めての試みで、これはAさんの前回の治療の際Aさんからいただいていたご意見へ「忖度した結果」のアイディアであり、元々完全に計画していたわけではありません。しかし「忖度が的中していたこと」が証明さてしまいました。
そしてこれ以降、『北京堂式』希望者には、『北京堂式治療法の内容への同意とサイン』のうえで北京堂式鍼治療を受け付けることになりました。もちろんその場合でも、先に『わきさか鍼灸院の治療方針の詳細説明のA4ファイル』をお読みいただき、私からの口頭説明も含めて当院治療方針へご理解いただけるよう、しっかり説明を行うようにしていました。
当院の置鍼時間の方針について
ここで北京堂ファンの読者の方が「必ず起こす勘違い」をお伝えすることにしますが、「もしAさんが途中で治療を止めず最後まで我慢し予定時間通りに置鍼を行っていたら、治療効果も現れてAさんも最後には納得できていたのではないか?」、「自分なら置鍼を我慢し続けて置鍼を全うできたはずだ」と、根性論的に思われるかも知れません。しかし、当院の治療方針の置鍼時間の幅は、「患者さんが(精神的に)鍼の刺激に耐えられるかどうか」「我慢できるかどうか」の尺度だけで時間設定の判断しているわけではありません。
そもそも当院では、北京堂理論の「置鍼が20分間では効果が出ず40分にしたら効果が出た」の主張に「統計的優位性がある」とはまったく思っておらず、この主張をまったく認めていませんので、北京堂ファンの方は当院のホームページをしっかりお読みになられ、そのことをよく理解しておく必要があります。
「北京堂式鍼治療 受付けの同意書」に実際にサインた患者さんの人数ですが、受付け開始の2015年から2018年までの約3年間でたったの4名でした。
しかも、サインした4名の内2名は、実際には「北京堂式」の鍼治療を受けていませんでした。
どういうことかと言えば、患者さんがベッド上に臥位になって、いざ「北京堂式」の鍼治療を行う直前になってから、「やっぱり先生のやり方にお任せします」と北京堂式鍼治療の中止を希望されたからです。なのでこの2名は、同意書にはサインをしたが、実際には「北京堂式」の鍼治療を受けていません。
そして別の2名は、実際に「北京堂式」の鍼治療を行いました。しかしこの2名も治療工程のすべてを終えることなく置鍼の途中で治療を中止しています。
(※ 置鍼とは=鍼を治療部位に打った状態でそのまま一定時間置いておく治療技術のこと)
何が起こったかと言いますと、治療に入ってすべての鍼を打ち終え、置鍼の工程に入って5分くらいすると、先のAさんと同じで、患者さんから「鍼抜いて~!」と、希望されてこられ、その時点で治療は中止となったからです。なのでこの症例2例でも北京堂式治療を最後まで完全な形で終了することができなかったため、実質的には「北京堂式の鍼治療を行ったこと」にはなっていませんでした。ちなみに先ほどの「耳鳴り腰痛患者のAさん」はこの2例に含みます。
それからそう言えば、この「耳鳴り腰痛患者のAさん」は、北京堂式サインの以前の治療中、「今年は鍼治療にけっこう通ったので普段よく買うお気に入りのイタリア高級ブランドのスラックス(3~5万円)を買えなかった、」との苦情が出ていました。
それはさておき、このAさんはまた別の場面で、「耳鳴りは医師の処方が効いて治ったようだ」との報告も出ていました。
実は私は、このAさんの耳鳴りは「当院の鍼治療だけで改善できた」と高く評価していて、鍼治療での改善効果にはかなりの確信をもっていたのですが、残念ながらこのAさんは「当院の鍼灸治療に効果がある」と認めず、「価値がない」と判断されていたようです。
Aさんに限らず、「当院の鍼灸治療」に対する患者さんの認識が、「当院鍼治療に効果が出てない、価値は無い」ということでありましたら、客観的には当院が「無駄な治療を続けているアコギな鍼灸院」ということになり、当院の信用問題になってしまいます。またそういった患者さんにいつまでも治療を続けていると、いつ何時「言いがかり苦情」に発展するかも分からず、当院にとってはかなり大きなリスクとなります。
たいへん残念でしたが、この「Aさんの鍼灸治療」は、この少し後に中止とさせていただきました。
それから、「Aさん」は、「某市内にある古刹のご主人様」で、「幼稚園の経営者」でもあられます。
肩関節周囲炎の治療として「頚部3列縦列、肩甲骨上に絨毯爆撃式刺鍼・各最大深度」に置鍼中
ちなみに、この方は「Aさん」ではなく、また別の方です。
『北京堂式鍼治療 受付け同意書』にはサインをせずに「当院の治療方針 説明ファイル」と「私からの口頭説明」に同意され、「当院治療方針の鍼治療を受けた患者さん」の間で出ていた『当院に対する評価』について考察したことを以下に記してみました。
(※ 北京堂式鍼治療の同意書による受付けは2015年~2018年の3年間のみ実施 )
『北京堂式の受付け同意書』にはサインをせず当院の治療方針の鍼治療を受けた患者さんの中にも「実は北京堂ファンだった」というケースはけっこう多かったのではないかと思います。
表向きには当院の治療方針に同意の意思表示をしていても、「本心は北京堂贔屓」のような方です。
もちろんそうでない方もそれなりにおられたとも思いますが。。。
しかし残念ながら、「北京堂や二天堂の信奉者」「北京堂ファンの方」では、おそらく先ほど紹介した「耳鳴り腰痛のAさん」もそうだったと思いますが、そういった方では「私からの親身な説明」には「聞く耳」を持っておらず、「こちらをまったく信用していなかった」ようでした。
それが証拠に、患者さんによっては、「初めの1回だけ治療を受けて、2回目の予約から来なくなる方」とか、それよりも多少律儀な方では、「乗り掛かった舟」で仕方なくなのか、2~3回だけとか、「わずかな回数の治療を受けただけで、その後は来なくなる方」もしばしばでした。
どちらの場合も、「少数回の治療を受けただけの段階で患者さんの独断で治療を終了されていた」ということです。
そして1回だけでも3回の少数回でも、これらの例はいずれも、「効果が現れるかどうかかまだはっきり確定できない段階で治療を中断された」ということであります。
当然、当院としては「もう少し長く通ってくれていれば症状を改善できたのに・・・」(かもしれない・・・)との残念な思いがありました。
更に症例ケースによっては、「この人なら普通に改善できるだろう」と自信をもって楽観的な予想を立てていた例もあったほどでしたので、その場合では「患者さん自らが、当院での治療をあきらめ、症状改善や完治の可能性をいとも簡単に捨てしまっていた」ことになっており、「とても残念で歯がゆい思い」をさせられる状況でありました。
逆に当院にしばらく通院していた患者さんで症状が順調に改善していた患者さんから「わきさか鍼灸院の鍼治療のお陰で治ったとはまったく思ってない様子」が見て取れるようなケースもあります。
当院の鍼治療の効果(腕前)を認めていただけなかった例のなかで特に分かりやすかったパターンは、治療時に刺鍼した鍼の本数が多かった患者の間で出ていた、「鍼をたくさん打ってもらったから鍼が効いたのだなー」、というものです。
もちろんこれは、大きな間違い、勘違いです。
確かに当院でも解剖学的鍼治療で「刺鍼する鍼の本数が多い目に設定」場合があり、その場合では「治療1回あたりの刺鍼が20本以上~にすること」がよくあります。
しかし、これは無条件的に行っているわけではありません。
どういうことかといいますと、当院の鍼治療で刺鍼本数が多い場合は、「ただ単に鍼の数を増しただけの鍼治療ではない」ということです。
この意味の詳細説明は避けますが、例えば当院の鍼治療では、「ある患者さんの鍼治療の際の刺鍼の本数が多かった」としても、別の患者さんの治療では「鍼数を極力少なくして治療する」というケースがあり、それ自体も特段に珍しいことではありませんし、多刺の刺鍼法の効果が絶対優位とは理解していません。
つまり、もしあなたが、わきさか鍼灸院で多刺の鍼治療を受けて効果を確認できたしても、それは「当院の高度な判断による多刺の鍼治療」であり、「北京堂マニュアルや他院の治療方針に従って行う多刺の鍼治療」とは同じではないということです。
例えば、ホームページなどの画像では、一見して当院の多刺の鍼治療と「北京堂など他院の多刺の鍼治療法」とが同じに見えることがあるかもしれませんが、当院の鍼治療で多刺を選択する場合のその判断法は、北京堂式や他の鍼灸法とは次元がまったく異なるということであり、当院鍼治療の効果は、多刺以外の技術も駆使して統合されたなかでの治療結果であり、画像や文章などで多刺の鍼としてジャンルが同じに見えたとしても、その中身は同じではありません。
もし当院である患者さんの治療で、「この方は50本程度が最適レベルの本数」と判断して鍼治療を行った場合、「その方にはそれ以上の多数の鍼を使用する必要はない」という判断であり、それ以上に鍼を打つことは無駄にになるか、下手をすればデメリットにしかならないということであります。50本以上でしかもあまりに多くの鍼を刺鍼してしまうと、恐らくその患者さんの治療は完全に失敗するかして、治療としてまったく意味が無いことになるでしょう。実際当院では、これまで一度も1回の治療で100本もの鍼を打ったことはありません。
結局のところ、日本では、「 鍼治療とは、型どおりにやれば誰がやっても簡単に効果が出せるようなものだろう」とか、「マッサージのように痛い部分だけにたくさん鍼を打てば効くもの」、「3回以内には効果が出るもの」と思い込まれている方が多かったのではないかと思います。
実際、中国や欧米の権威筋にはこのような主張や鍼灸情報は見当たりませんが、日本中に浸透しつつあるこのような治療法を信奉している方に当院で鍼治療を行った場合は、こちらがいくら丁寧にいろいろと説明して良い判断を下し、どれだけ良い治療結果を出していても、「こちらからの説明を理解することも、実力をも認めることはない」、ということだったのでしょう。。。
当院の患者さんの中には「こちらの実力を認めたくない」ためか、意図的にこちらにそれを分からせるために慇懃無礼な態度をとられる方や最後に予約をすっぽ抜かすような方ももしばしばおいででした。
これはけっこう恐ろしいことではありますが。。。今となっては「万事休す」です。。
ここでお断りしますが、当ページのこのような私の感想や見解は、まったくの憶測、あるいは自分が目立つためにでっち上げの論点ではありません。他の項目も含め、当ページでの報告内容は、当院の開業9年間で様々な患者さんとのやり取りのあるなかから確認してきた事実がベースになっています。また多数の文献(まま、それ自体も玉と石で色々ですが、、)も確認しており、高い確度があって今回「掲載に値する」と判断してお伝えするものであります。
以上が「『北京堂式鍼治療受付けの同意書』にはサインせず、『当院の鍼灸治療』を受けた方からの『当院鍼灸治療に対する評価』への考察」です。
ちなみに北京堂鍼灸院や二天堂鍼灸院では「5回・回数券」の販売(二天堂はつい最近まで)をしていますが、当院ではこれまで「回数券」はこれまで一度も導入したことはありませんし、「3回までに効果が出てくる」とも主張したこともありません。
今回、このような情報を公開するに至った理由ですが、これは、当院で「北京堂式鍼治療受付け同意書」にサインして実際に治療を受けようとした患者さんだけでなく、初診時に「北京堂式受付け同意説明を聞いたのみでサインをせずに北京堂式治療を希望していない方」であっても、当院の「北京堂式治療法の導入状況の全貌」を知らないために変に誤解され、その場合では北京堂鍼灸院や二天堂鍼灸院へ苦情を出されていた可能性があり、それに伴って、「各方面から当院へ更なる的外れな批判、または何らかの憶測話が肥大化して「良からぬレッテルを張られかねない」と考えたからです。
実際、当院が2014年9月から行っていた、『わきさか鍼灸院の治療方針 説明ファイル』による「当院治療方針の重要ポイント(刺激の量、調整について)」の説明開始以降、「鍼が浅く本数が少ないなどの治療内容に関連する苦情」が北京堂グループに出ていたようで、その頃から北京堂グループでは「淺野式と北京堂式との分派が起こり、2016年3月から内容を大幅変更した二天堂鍼灸院ホームページには「やさしい鍼も云々…」の説明が登場し、別の「北京堂の弟子」のホームページからは「分派に関する説明と刺激が少ない鍼治療を受けた患者からよく苦情が出ていたことへの苦情」が発表され、現在も掲載されています。
今回、当ページの「北京堂式導入の同意書にサインされた患者さんの人数」の発表、および「その方々の治療状況」の公開によって、当院に対する「恒久的な誤解の解消、予防」、当院の新患さんでは「北京堂グループへの苦情防止になること」を期待しております。
この項では先の項で触れました、北京堂式の分派について簡単に説明していきます。
北京堂鍼灸の北京堂式治療法は、2015年夏頃以降、「淺野式」と「北京堂式」に分派され、治療方針が分別されています。(※方針の全部ではなく部分的な変更)
まずは、「分派発表」に関する資料として、以下に参考資料を紹介したいと思います。本院と弟子、弟子らによっても定義、刺鍼基準が一致していないようです。
(参考資料スクリーンショット:北京堂鍼灸本院(レディース)リンクページ/2020年1月撮影)
(参考資料スクリーンショット:北京堂系列弟子の2015年8月12日のブログ(・・浅野式の違い) )
(参考資料スクリーンショット:北京堂鍼灸燕堂「北京堂式(浅野式)判別法」/2023年4月撮影)
※上記引用以外に北京堂式の分派が2015年頃(以降)に起こったことを示す根拠として、「2015年10月9日の北京堂内弟子のブログ『お家騒動』で分裂に言及する内容」を確認(スクリーンショット)しており、更には私が関東の内弟子に電話した際に、最近の話題として、北京堂式の分派のことを「関西方面で勝手な治療方針を言い出して困ったことだ」とのニュアンスの意見を聞き及んでいます( 2017年9月17日/録音データあり)。
そして、当方がネット上で調査した時点で得られた「北京堂式の二重基準(淺野式と新しい北京堂式)」の説明は、主に上記「参考資料:北京堂鍼灸本院レディース リンクページ」と一部の弟子のホームページかブログでしか確認することができませんでした。
考察
北京堂の「淺野式」と「北京堂式」の違い、分派についての説明は、北京堂本院(レディース)のホームページではそれなりに明確な説明がなされていますが、一方、弟子からの説明内容は、弟子によってバラバラで一致しておらず、テーマによっては「絶対的表現」を避けていたり、「説明」自体を避けているケースが見られ、非常に分かりにくい状況になっていました。また、本来このような内輪事情をこちらが感知するものではありませんが、当院への誤解が出ていただけでなく、フランチャイズによる全国的展開(リンク)拡大による鍼灸情報全体への影響、誤解も生まれるリスクがあると考え今回の情報公開に至りました。
『淺野式』と『北京堂式』の違いの説明の本丸に入る前に、まず、「北京堂式治療法」本来の定義、成り立ちについての説明を極簡単に行うことにします。
北京堂式の発表時期は1998年
そもそもの大前提として、2015年夏に北京堂式が分派する以前は、「淺野式」という名称の派閥は存在しておらず、北京堂代表の淺野氏が1998年にホームページを作成公開した時からの、「北京堂式」という名称の「マニュアル式治療法」がひとつあるだけでした。
そして、元々の「北京堂式マニュアル」とは、淺野氏が島根県開業中(1990年開業、途中1年閉店し中国に再留学)の初期に、当時淺野氏が自分の治療法マニュアルの参考としていて、後の1996年に翻訳出版した、中国鍼灸書の「難病の鍼灸治療(緑書房)」や、「木下春都発表の一部」を参考に編み出した、元祖的「マニュアル式治療法」のことです。島根時代ではその後も多数の中国書籍の翻訳の継続しつつ、先述のホームページ作成を並行して行い、1998年の開設と同時に「北京堂式治療マニュアル」としてホームページ上で発表していたものです。
北京堂式治療方針の基本概念・コンセント
北京堂式の最大の特徴は、「マニュアル化した治療法」ということです。
また、淺野氏は治療法を「マニュアル化」するために、「誰でもできるようにポイント探しは不要にした」、「それを補うため、鍼を多数刺す」として、「深度は最大に」、または「骨まで深く刺す」として、これらの特徴を自身の著作物、ウェブサイト(ホームペページ)全体の広範囲、同一ページ内でも多数ヵ所で強調しています。
ちなみに私が北京堂HPを知ったのは2005年頃で、各ページ冒頭には「2000~2001年」との公開日付が出ており、先の北京堂鍼灸の特徴、セールスポイントのアピールは、1998年の北京堂鍼灸ホームページ公開初期から順次行われ、すでに完成した状態でした。
そして、淺野氏はホームページで北京堂の治療法(セールスポイント)を発表した約10年後の2011年に、今度は「鍼灸院 開業マニュアル/たにぐち書店*A)を発表し、そちらでも同様の説明を行っています。
(*A:マニュアル作成 p41、特定筋に複数刺鍼パターン化 p64,65,66,69,73,78,81、骨まで刺入 p63、即効性 p58,81,95、間接表現は他多数あり)。
ただし、淺野氏の書籍にしても淺野氏の北京堂ホームページにしても、治療方針の説明文が、テーマごとの各ページ内の長文の中でかいつまんでの説明になっているうえに、1ヵ所にまとめられておらずバラバラに散在しているため、読者にとってはこれら北京堂の方針全体を正確に理解することが非常にむつかしい形になっています。(※誤解を招く元はコレも一因ではないかと考えます)
また、一番弟子である中野氏が代表をつとめる二天堂鍼灸院のホームページでも、「誰がやっても効果がある」とか、「黄金パターンの鍼治療」などとパターン化を強調しており、「北京堂式とは深鍼の極意」「少なくとも3回までには改善の兆候が表れる(耳鳴り難聴めまい治療ページ)」との説明を2009年頃から10年間ほど行い、北京堂式の特徴に基づいた北京堂式を教えるための定期講座(二天堂勉強会)を2007年から開き、「1回4時間だけの講習をたった12回受講するだけで誰もが効果が出せる鍼治療を習得できる」というコンセプトで「不特定多数の鍼灸師に指導していた」、という背景状況がありますので、「北京堂式の最大の特徴は、やはり、マニュアル化した治療法である」ということを裏付けています。
(※二天堂では2020~2022年の間にホームページ大幅リニューアルを行いましたが、その際に上記のようなアピールがほとんど削除されるか表現が変更されているようです/経年スクリーンショット保存あります)
ではここからは本丸の説明、「北京堂式と淺野式との違い」の説明を行います。
先述のとおり、北京堂鍼灸の「淺野式」という新しい名称の治療は、2015年夏以降、北京堂のホームページ(本院レディース、一部の弟子)から出てきたわけですが、実際には「淺野式」の方が、本来の1998年発表の「北京堂式の治療方針」を継承しています。紛らわしい話ですが、「淺野式」の方が元々の「正式の北京堂式」と同等、「元祖」ということです。
浅野式
「浅野式」の定義は、2023年現在、北京堂鍼灸レディースホームページ(淺野らあ氏代表)とその下層のリンクページにある説明文から確認(2022年までリンク状態)することができます。
そちらの説明では、「淺野式」とは、基本として「ポイント探しを不要にするために治療1回分の刺鍼の本数が多く、60本以上使用」との説明があり、北京堂弟子の「鍼の本数の説明(<*B>)」では、「北京堂では1回の治療で鍼を100~150本刺鍼することも珍しくない」との説明もみられ、かなりの多刺となっています。刺鍼深度についても北京堂鍼灸ホームページ(淺野氏1998年公開のサイト)の下層にある疾患別説明ページの複数ヵ所でみられ、「基本的に高頻度に鍼を深刺しする治療スタイル」となっています。
<*B:参考資料>
(北京堂弟子HP「100~150本刺鍼することも珍しくない」の方針説明)
(北京堂弟子のブログ「鍼の本数60~80本、深度は骨まで」の浅野式定義)
北京堂式
これに対して、2015年以降に出た新しい方の北京堂式は、「使用鍼の本数が淺野式に比べて少なめ」、「刺鍼深度を浅野式よりも浅くする」、「治療回数の説明がない」との説明(*C)が出ています。いずれも北京堂本院レディースホームページからの情報です。
<*C:参考資料>
(北京堂レディースHP内に赤色誘導線の先に引用説明文があります。)
(北京堂レディースHP・リンクページ内に引用の説明文があります。)
まとめ
『北京堂式』と『淺野式』の分派で理解すべき最も大事な要点は、「2015年頃になって治療方針の一部を大きく変更した、ということであり、その際に「北京堂式」と「浅野式」の2系統に分かれ、全体的に弱刺激に変更した方を『北京堂式』」と呼び、『淺野式』の方は新しく出た呼称ではあるものの、「こちらの方こそが、1998年発表の『元祖の北京堂式』である」、ということです。したがって、それまでの北京堂式は、二重基準ではなかったということであります。
そして北京堂式の治療方針で変更していない部分についてもよく理解しておく必要があります。中でも確認が取れてはっきりしているのが、「ポイント探しは不要にした」という部分です。ここは変更していません。
元々の北京堂式の基本コンセプトは、「指先の微妙な感覚で硬結や反応点を探す必要もないように、多刺で補った」、それによって「ポイント探しは不要にした」、とありますので、この部分については浅野式でも新しい北京堂式でも変更なしに引き継がれており、共通のようです。
また、同じコンセプトの類似情報として確認がとれていますのが、二天堂鍼灸院の「炎の鍼灸師 育成講座ホームページ」の内容です。そこの説明文では、分派後の2016年以降でも、「深鍼の北京堂式」と紹介しており、「誰がやっても効果がある」とのアピールを同時に行い、生徒を募っていました。
それから私は、2016年11月発売の淺野氏著「超初心者用・鍼灸院治療マニュアル」の内容も確認していて、この本の中でも「ポイント探しを不要にするためにレシピを作った(p13-15)」との説明を確認しています。北京堂式分派は2015年の夏頃でしたが、逆にこの本では『淺野式』と『北京堂式』の分派に関する説明、またはそれらを示唆する話題や記述が出てないことを確認しています。
よって、「誰でもできるように、ポイント探しを不要にした」との方針は、2015年以降でも引き継がれており、この部分に関しては、分派後の「北京堂式」「淺野式」、「どちらも『元祖の北京堂式』と変わらず同じ」と理解できます。
次に、北京堂式が「淺野式」と「新しい北京堂式」とに分かれたことによる当院への影響、当院との関係性についてご説明していきます。
先ほど説明した「北京堂式の分派後」の「新しい方の北京堂式」の定義は、「治療で刺鍼する鍼の数が以前より多少は少なくなったらしい」ことと、「深度を浅くすることがある」です。
(※注:傘下院、弟子のHP発表内容によって、鍼の本数、深度の程度、主張が異なっており、かなり後になって更なる変化も見られます。よって、上記文章のような表現にしています)
そして、この「新しい方の北京堂式」を導入している鍼灸院は、関西で多くみられ、本来の北京堂式とほぼ同等の「淺野式」を導入している鍼灸院は、主に関東圏、関西以外の地域で多く見られるようです。(最終2023年頃までの確認)
この状況によって当院に対して新たな誤解が発生している恐れがありますので、この機会に説明を行いたいと思います。
当院は2009年に茨木市にて開業しており、関西圏、大阪に所在していたわけですが、実は私は、鍼灸学校卒後すぐの2006年に神戸市の二天堂鍼灸院(代表中野氏北京堂の1番弟子)で見学研修を受けた者(私が二天堂で初の研修参加者)であります。そしてその後すぐに中国に留学して鍼灸研修を行い、帰国後の当院の開業2009年の後、当院ホームページと二天堂鍼灸院ホームページとは2010年から相互リンクになっていました。
二天堂鍼灸院から当院へのリンクは、2020年頃から当院に直接の連絡無しに外されていますが、それまでの10年間は二天堂リンクページからリンクされており、2015年に北京堂が「北京堂式」と「浅野式」に分派した際も当院と二天堂鍼灸院とはリンク状態にあった訳ですが、その際、北京堂本院や二天堂鍼灸院から当院へ「分派の連絡」があったあわけではありませんでした。また逆にそれまでの間にこちらから北京堂の治療方針に対して意見を出していたり、介入していた事実もありませんし、北京堂式の方針変更によって当院の治療方法が影響を受けたとか、新設の北京堂式に追従していたわけではありません。
また、わきさか鍼灸院の治療方針は、当院開業の2009年から大きな変更はしておらず、開業当初から、『患者さんの病状、体質によって鍼、灸の刺激量(強弱の調整)を合わせます』と宣言しており、当院ホームページでは、 元々の北京堂式(現淺野式/レディースHP)のように、「鍼は60本以上多数打つべき」、「翳風や後頭下筋群には2寸鍼で深刺」、「大腰筋の刺深度は2.5寸よりも3寸が必須レベル」「ぎっくり腰は1回で完治」などや、二天堂のように「 北京堂式とは、誰がやっても効果がある、再現性が高い、黄金パターンの鍼」「3回までで効果を判断」など、これら北京堂式の優位性の主張に便乗アピールしたこともありませんでした。
繰り返しになりますが、当院鍼治療では、刺鍼の本数、刺鍼深度の設定を幅を広く柔軟性を持って対応しており、当院開業以来変化なく一貫しておりましたので、私が後になってから、つまり、当院が「2015年以降に新しい北京堂式を取り入れた」とか「真似をしていた」わけではありません。当院の治療方針は、2015年の北京堂式の方針変更や2016年の二天堂鍼灸院の方針発表とは何の関係も無いということであります。
これも繰り返しになりますが、当院では2014年から、「当院の治療方針・刺激量の調整の必要性」をご理解いただくために、『説明専用ファイル』を作成し、初診の患者さん全員に当院の治療方針を丁寧に説明し、周知徹底を行っていました(北京堂式の分派より前のことです)。
『わきさか鍼灸院・治療方針説明ファイル』(2014年9月使用開始)
以下の画像は、2009年に当院が開業する直前にある件で北京堂代表の淺野周氏に事実確認を行うために手紙を送った際、そのすぐ後に受け取った淺野氏からの返信の手紙(2009年6月消印)
手紙では、淺野氏から「北京堂式」についての見解が述べられており、北京堂の治療方針(マニュアルの型通りに行う治療が大事)には「強いこだわり」をお持ちであるとのことでした。(2009年 手紙内容より)
以上、「北京堂式の『淺野式』と『北京堂式』の違い、分派について」の当方からの事実確認と情報提供、当院との関係における状況解説でした。
「当院の治療方針説明5ページと
軸索反射5ページをセットにした
ファイル」2014年9月 使用開始
当院では、初診の患者さんには必ず、前項や冒頭でご紹介していた「わきさか鍼灸院の治療方針の説明ファイル」をお読みいただいております。
ファイルを読み終え、当院の治療方針にご理解いただき、ご納得いただけたことに確認がとれた方には、以下の画像のように「同意のサイン」をいただき、その後に治療に入るようにしていました。
わきさか鍼灸院の治療方針は、元々の北京堂式(現浅野式)、分派後の現北京堂式、どちらの治療方針にも合致していません。
当ページ内の参考引用資料でお示ししましたように、北京堂式の2015年の分派後に発表された「現・北京堂式」の治療方針は弟子によって発表内容がバラバラで、発表して数年も経った最近でも変化が見られますので、正直言って曖昧で掴みどころが無い印象です。
繰り返しになりますが、北京堂式と当院の治療内容が、「部分的に一致」することは可能性としては十分にあり得ます。しかし、そういった一致は「ある日のある患者の治療の一部分だけで一致があった」という感じで、一致していたとしてもケースごとの場面においての極めて狭い範囲の一致であり、非常に微々たる範囲の一致です。頻度としても症例全体(施術総回数)から見て「数千分の1以下のレベル」だと思います。
(例:1日の来院患者数10人×300日営業=総治療回数3000回。その内40分間の置鍼を取り入れた治療が3回だった場合の頻度は0.001%=1/1000回/※鍼の本数、刺鍼ポイントは北京堂式と同じとせず、置鍼時間40分のみを一致条件とする)
むしろ、北京堂の「刺鍼法」以外の領域、その他の北京堂浅野氏の主張見解、例えば、木下春都説の解釈や3寸鍼大腰筋刺鍼の定義、鍼刀の適応範囲、トリガーポイントの説明、北京堂式の捻挫鍼法(刺鍼部血腫除去目的)、頚椎症に牽引治療併用の推奨、難聴に頚部蒸しタオル養生、北京堂発表の喘息灸法、リウマチ透熱灸法、逆子灸法(棒灸/ HP初期1998年頃~2010年頃)、膵腧穴のインスリン分泌説(HP初期1998年頃~2010年頃)、椎間板ヘルニア不適応説(HP初期2001~2010年頃/これ以後適応症に変更)、中国では吸い玉は主に虫刺されに使用説、電気鍼の適応範囲、病気病態の分類、適応範囲、治療回数の想定、養生法などでは、「当方の経験、考え、知識」とはまったく一致しておらずで、当院と北京堂とでは一致しない部分の方が多いくらいです。
したがいまして、当院の治療方針と北京堂マニュアルとは元々から一致する面が多くなかったということであり、逆に当院の鍼治療でも「多刺の際の鍼の本数が北京堂のように40本以上になること」はそれなりにあり得ることでありますが、北京堂マニュアル(現淺野式)のような頻度で50本以上、あるいは100本も刺鍼する」とかはまったくあり得えない本数で、刺鍼深度に関しても「毎度のように深度が最大レベルになる」ということもありません。他にもし細かい部分で当院と北京堂の治療内容に一致があったとしても、それらはたいてい高頻度ではない、あるいは例外レベルのこととご理解ください。
また、「多刺(日本式古典派と比較して多いというレベルを含む)と置鍼の組み合わせの鍼治療法」は、北京堂が島根で開業するよりもかなり以前(少なくとも10年以上前)の鍼灸学術誌で、「中国鍼灸」として症例報告が掲載されていましたので、特段に新しく特殊な治療スタイルというものでもありません。
(2005年学生時にお世話になった京都市西京区桂のKK鍼灸院にて研修中に確認済)
どちらにしても当院では「置鍼」の意義や「多刺」の効能を独自アイディアとして権利主張もしておらずで、これらの技術導入が「北京堂主張」と一致したとしても「北京堂マニュアル」に従った形て導入するものではありません。
とにかくくどい話で恐縮ですが、当院の鍼灸治療の方針は、2015年の北京堂式の分派で現れた「弱刺激化した新しい北京堂治療方針」に影響を受けたわけでも2016年の二天堂鍼灸院の新たな方針追加発表に追従したわけではありませんし、仮に彼らの方針と一致する治療内容があったとしても、それらはたいてい極一部か例外的な一致ということであります。
ということで、これまで当院(茨木市開業時代)では、「インターネットや書籍で見た、他所の鍼灸治療法で治療をしてほしい、」と希望される方がたまにおられましたが(意味深長含蓄タイプの方は除外)、当院では、他院の治療方針に従うとか、治療法を受け付け、施術提供することはほとんどありませんでした。もちろん当院では今後も正々堂々、「当院の治療方針に基づいた鍼灸治療」を行ってまいります。
北京堂ファンの方はどうか「当院の鍼治療」を北京堂式や二天堂と同じの治療法と混同しないでください。
当院は移転しております。当院の移転に伴い、現在極一部の患者様とその方のご紹介新規様への治療を除いて他の方への治療を受付けておりません。ご不便をおかけしており誠に申し訳ありませんが、どうかご理解ご了承のほどよろしくお願いいたします。
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